百鬼夜行と暴走族 壱



「旦那、か」


「はい」

微笑んだ。何百年も生きているらしいが、若さは20代前半くらいだ、
その顔だけで男を想っていることが伝わってくる。



「どんな妖怪なんだ?」


「強くて、皆のことを考えてくれる。器が大きくて、情も深いから皆が集まってくる...そんなひとです」


...敵わねえよ、そんな奴に


「会ってみてえな、」  
「俺も」



すると、


「…こっちに向かってますよ。」


「何がだ?」


「あのひとの気配がこちらに近づいてます」


そう、口にした


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