百鬼夜行と暴走族 壱



玄関を開けると開いたドアから漏れるリビングの光



まだ起きてたんだ…音を立てないように忍び足で玄関を上がる



「何、帰ってきたの?」


気づいてたのかリビングから出てきて俺を見据える


「別に、部屋に用があるだけ。」


そう言い捨て部屋に向かう


それしか言わないのに何でわざわざ出てくるんだろう…


部屋に入ると一段と聞こえてくる声


その声は机の引き出しから...



机の一番下を開けると埃をかぶった赤い古いアルバムが一冊あった


手で埃を払って開くとそこには、あの頃の幼い俺と...一緒に微笑んでいる十六夜さん


一枚じゃなくて何ページにもわたる




「っ!」


涙が止まらない、こんな大事なものをずっと忘れてこんな所に…


キラッ


アルバムの下にあった金色のものを震える手で取り出す






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