百鬼夜行と暴走族 壱
「十六夜さん、十六夜さんっ!」
胸に顔を埋めて泣きじゃくる
『琉威、』
名前を呼んで、頭と背中を撫でてくれた
昔と変わらないその仕草に余計に涙が出てきた。どんな涙かっていうのはたぶん……嬉し涙
「十六夜さん、ですよね」
抱き着いている俺をよそに、優希がおずおず聞いた
『ええ』
優希の問いに十六夜さん微笑んで答えた…皆頬を染めた
「いつ、戻れますか?」
「あなたが居ないと琉威は元気がないんです」
『おじいちゃんが亡くなったらだから……こんなこと言いたくないけど……半年間くらい』
「ほ、ほんとに?」
顔を上げて言う俺ににっこりと笑い、頭を撫でてくれた