元カレ今カレ
あたしなんて入る隙間もないはずなのに…。
図々しいしく、チャンスを狙ってる自分がいる。
「………うん。なにかあったら、……ね。」
「……おぅ」
重くなってしまった空気は、春の暖かい風ではどうにもならないみたいだ…。
「………桜、」
「…ん?」
「桜綺麗…」
「あぁー、本当だな」
さっきまでの空気は春風に吹き飛ばされたみたい。
目の前を桜の花びらがヒラヒラと舞い落ちる。
一枚の花びらが尚輝の髪の毛に着いていた。
「………ぁ」
「………」
尚輝はあたしが発した小さな声に気づいていない。
とってもいいよね……?