TIME MACHINE
誘拐?
それから約2時間後、私が目を覚ました時刻はもう深夜だった。
「って、ここどこ…」
まだズキズキと痛む頭を押さえながら、見知らぬベッドから起き上がった。
真っ白で、見たことないものがいっぱいな不思議な部屋。
きれいに掃除しているけど、テーブルのうえには飲みかけらしきマグカップがあった。
さっきまでここに誰かいたんだろうか。
とりあえず私は、この部屋の主を探すべく、裸足のままベッドを這い出し、色んな部屋を見て回ることにした。
「う、わ…」
息を呑んだ。
私の視界いっぱいに広がるのは夜景を一望できるテラスで、その先は見たこともない、綺麗な街だったから。
夜中だからかあまり家の明かりはついてないけど、街灯だけでも十分美しいその夜景に私は心を奪われた。