恋愛、友情。ときどき涙。
湊side


放課後。

俺は音羽の教室の前でなぜか一人緊張していた。

空から聞いてれば、まだ音羽はいるはず……。


でも、昼休みは来なかった……。

ずっと待ってたけど……俺、嫌われてんのかな……。


いや……嫌われるようなことはしてないし、大丈夫だ。


……よし。


俺は意を決して教室のドアを開けた。


「……音羽?」


俺が声を掛けると、窓からグラウンドを見ていた音羽がゆっくりと振り返った。


「先輩」


いつものように笑う音羽に少し安心しながら近づいていった。

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