恋愛、友情。ときどき涙。


「あの……さ。
日曜日のことなんだけど」


音羽のクリクリの目が俺をじっと見る。

ヤベッ……心臓が……。


「音羽……どこ行きたい?」

「え?」

「あ……いや、いろいろ考えたんだけどさ……やっぱ音羽が行きたいとこに行くのが一番いいかなって……」


ただ音羽の喜びそうなところが思い浮かばなかっただけだけど……。


……すると、音羽は下を向いたまま動かなくなってしまった。


「音羽?」

「………………」


……おかしい。

いつもの音羽なら絶対に笑顔で遠慮せずに行きたいとこややりたいことをたくさん言ってくると思ったのに……。


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