恋愛、友情。ときどき涙。
遊園地に着くと、思ってたよりも人がたくさんいた。
「結構混んでますね~……」
「新しくできたばっかだからな」
すると、あたしの右手が急にふわっと温かい何かに包まれた。
「せ、先輩……?」
「音羽、ちっちゃくてすぐに見失いそうだから」
あたしと目を合わせずにちょっと恥ずかしそうにそう言う先輩。
「ちっちゃく……ないです」
そんなことを言いながらも実は嬉しかったりする。
先輩に握られた右手だけがどんどん熱くなってくる……。
「じゃあ、まずはどこから行く?」
「えっと……あ!あれ!」
あたしが指差したのは……すごいスピードで走るジェットコースター。
「え……いきなりっすか?」
「早く行かないと混んじゃうじゃないですか!」
「ま、そうだな。
よし、行くか!」