恋愛、友情。ときどき涙。


「湊、ちょっと見てみろよ」


隆やんの視線の先にいたのは……当時の部長と話している、まだ真新しい制服を着ていた音羽。


「新しいマネージャーだって」

「マネージャー?」


多分今よりも少し背が小さくて、でも人懐こさと明るさは今のままで。


「あれは湊の好きなタイプだな」

「はぁ!?
お前、何言ってっ……!!」

「違った?」

「違うし……ていうか、マネージャーに手出さないし」


その時……部長と話していた音羽がふとこっちを向いて、ふわりと優しく微笑んだ。

俺の中ではストライク直球ど真ん中で……

マネージャーに手出しはしないという俺の言葉は発言してから十秒後にすぐ崩れ落ちた。


< 123 / 220 >

この作品をシェア

pagetop