恋愛、友情。ときどき涙。


「……え、元カノ?」

「そうらしいのよ。
偶然会っちゃったんだって。
……本当に偶然かどうかは分かんないけど」


デートの帰りに会ったらしい結城先輩の元カノ。

その人が背が高くて綺麗な人だったんだって。

だから音ちゃん……。


「音ちゃんはあのままでいいのに……」

「……綾乃」

「ん?」

「辛そうな顔してるよ……」

「え………」


アサちゃんは心配そうな顔であたしを見ていた……。

私、気づかないうちに……


「……無理しないでいいよ」

「え……?」

「音羽には言えないだろうけど……あたしの前では本音で話して」

「アサちゃん……」


じわりと涙で視界が滲む……。

泣いちゃダメ、そう思ってるのに……涙は止まらない。

< 135 / 220 >

この作品をシェア

pagetop