恋愛、友情。ときどき涙。


「沢木」

「す、杉山君!
どうしたの?」

「……アイツら、いつもあんなことやってんの?」

「たまに。
二人とも人気者だから、二人が何か始めるとみんな集まってくるんだよ」


へぇ……。


「沢木は一緒にやんねぇの?」

「わ、私は……見てるだけで十分……」

「……よかった。
マトモな奴がいて」


やっぱり沢木と俺はどこか似てる。

何か安心する。


「そういえば海斗、何しに来たの?」

「何しに来たんだろうな……」

「変なの」


お前にだけは言われたくない。


そんなことを思いながらも……やっぱり好きで。

ずっと音羽しか見てこなかったから……。


叶わないと分かっていながら強くなる想い。


でも音羽と湊先輩が上手くいってほしいという願いもある。

音羽にはずっと笑っててほしいから……。


……バカだよな、俺も。


心の中で自分を笑いながら、空とはしゃいでる音羽を見つめた……。


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