恋愛、友情。ときどき涙。


「……知ってたよ」

「え……?」

「海斗とメールしてるの……知ってた」


私は驚いて音ちゃんを見た。

音ちゃんはまだ悲しそうな目で私を見ていた。

私の大好きな溢れんばかりの笑顔からは程遠い……寂しそうな顔で……。


「亜沙美に……いろいろ相談してるのも知ってた」

「相談って………」


それって……結城先輩のことを相談してたこと?

知ってたの……?


「何を相談してるのかは知らないけど……でも、亜沙美に相談してたのは知ってた。
いつかあたしにも言ってくれるのかなって……そう思ってた」


いつもの元気な音ちゃんからは想像できないぐらい静かな声……。

怒ってるの……?

それとも………


「けど……あたしには何も言ってくれなかったよね」


少しだけ潤んだ瞳で音ちゃんが私を見た。


……私だ。

音ちゃんにこんな顔をさせてるのは……他でもない、私なんだ……。


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