恋愛、友情。ときどき涙。


「……言ってほしかった」

「音羽……」

「たとえそれがあたしにとってマイナスなことでも……一言ぐらい……相談してほしかった。
何でも受け止めるから……綾乃のこと……ちゃんと受け止めるから……。
亜沙美みたいに頼りにならないけど……一緒に悩んで考えるから……」


音ちゃん、ごめんっ……ごめんねっ……。

ちゃんと言わなくて……ごめんね……。



「あたし達……友達、だよね……?」



震えた声でそう聞く音ちゃん……。


うんって言おうとした。

頷こうとした。


でも……なぜか私の体は目を瞑ってうつ向いたまま動かなかった……。

体が強張ってる……。


「………もういい」


小さな足音が走り出して行くのが聞こえた……。

音ちゃん……?


「音羽!!」


結城先輩の声が聞こえた。


どうしよう……私、音ちゃんのこと……傷つけちゃったっ……。


私はさっきまでとは違い……まるで力が抜けたように床に座り込んだ……。


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