恋愛、友情。ときどき涙。


やっとのことで外に出れたあたし達。


もう七月。

空には太陽がギラギラ輝いていて、少し暑かった。


「……そういや、もうすぐお前の誕生日だよな」


何も喋らないあたしに、くーちゃんが思い出したように言った。


「……うん。
でも……今年はお祝いしてくれるの、くーちゃんだけかな」

「は?俺、祝うなんて一言も言ってねぇけど」

「え!?祝ってくれないの!?」


誕生日の話をしておいて!?


あたしが目を大きく見開きながらくーちゃんの方を見ると、くーちゃんはあたしの顔を見てプッと噴き出した。


「冗談だって」


そう言って笑うくーちゃんにつられて、思わずあたしも笑ってしまった。


……久々に心から笑った気がする。

クラスで女の子達と話してたときの、作り笑いじゃなくて……本当に笑ったのは久々。


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