恋愛、友情。ときどき涙。


「くーちゃん……ありがとう」

「礼を言う前に仲直りしてこい。
みんなで誕生日祝ってやるから」

「うん……でも、あたしの誕生日……明日だよ?」

「だから、今日仲直りすればいいだろ」


そ、そんなっ……!!

む、無理ですっ……!!


あたしが必死に顔で訴えると、くーちゃんは小さくため息をついた。


「いつまで意地張ってるつもりだ」

「……ねぇ、くーちゃん」

「ん?」

「……友達って……どこからが友達なの?」


……くーちゃんは少し黙ってから、近くの木に寄りかかりながら口を開いた。


「そんなの、自分が友達だって思ったら友達だろ」

「そう思ってるのが自分だけだったら?
もし向こうがあたしのことっ……何とも思ってなかったらっ……」


……昔から周りに人はたくさんいた。

あたしもたくさんの人の中にいるのが好きで、いつもみんなと一緒にはしゃいでいた。


……でも、一緒にいて落ち着けるのはその中の何人かしかいなくて。

素をさらけ出せるのは本当に数人しかいなくて……。


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