恋愛、友情。ときどき涙。
海斗と亜沙美はあたしが気を許している数人の中の人。
くーちゃんももちろんそうで……
……綾乃もそうだった。
でも……そう思ってたのは……あたしだけだったのかな……。
「友達なんてなろうと思ってなるもんじゃない。
自然となっていくもんだろ?」
「え…………」
「俺らだってそうじゃん。
最初は見ず知らずだったのに、話してる内にどんどん楽しくなって、いつの間にかいつも一緒にいて……。
友達になりましょう、なんて一回でも言ったか?」
「……言ってない」
「だろ?
そういうもんなんだよ、友情って」
思えば……海斗も亜沙美も自然と一緒にいるようになって、あたしにとっていなくちゃならない存在になって……。
綾乃も……まだ知り合ってから日は浅いけど……でも……大切な大切な……友達。
「……沢木は矢崎のこと……すごく大切に思ってると思うけど」
……あたしってバカだ。
一方的に自分の言いたいことだけ喋って……綾乃の気持ち、何も聞いてない。
あのとき……黙ってしまった綾乃の話をゆっくり聞いてあげてたら……
「……間に合うかな、今からでも」
「十分」
くーちゃんは今までにないぐらい優しく微笑んでいた。
くーちゃん……やっぱりくーちゃんは最高のあたしの相方だよ。
「くーちゃん、ありがとう!
これからもお世話になります!」
「これからも俺が世話すんのかよ……」
ま、いいけど。と笑うくーちゃん。
大好きだよ!くーちゃん!