恋愛、友情。ときどき涙。
切なげに揺れる海斗の瞳……。
寂しそうな笑顔……。
「ウソ…………」
「言わないでおこうと思ってた。
幼なじみの関係を壊したくなかったから……。
……けど、このままうやむやにするのも嫌だった」
海斗が……あたしを……?
全然知らなかった……。
「あたしっ…………」
「返事はいらないから。
お前の気持ち知ってるし……。
だから、できたら今まで通りでいたい」
「海斗……」
海斗がいつものようにクシャッとあたしの頭を撫でる……。
「……海斗……ありがとう……っ……ごめんねっ……」
「泣くなって。
俺は笑ってる音羽が一番好きだから」
コクリと頷いたあたしを見て、海斗はもう一度あたしの頭を撫でた。
「………大好きだった」
最後にそう言って……海斗は静かに教室を出ていった。
残されたあたしは……頭に海斗の手の温もりを感じながら……涙を拭った……。