恋愛、友情。ときどき涙。
「……結城先輩は音ちゃんが好きですか?」
「え?あ……うん」
突然の私の質問に驚く結城先輩。
それでも構わずに私は話を続ける。
「音ちゃんといるときの結城先輩……すごく幸せそうです。
だから、音ちゃんと結城先輩が上手くいったらいいなって……応援してます」
私は音ちゃんも結城先輩も……両方好きだから。
だから、応援したい。
幸せになってほしい。
「私、これから音ちゃんときちんと話してきます」
「あぁ。絶対仲直りできるよ」
「……結城先輩」
「ん?何?」
「私……結城先輩に出会えてよかったです!」
これが私の本当の気持ち。
出会えてよかった。
じゃなかったら、こんな気持ち……きっと一生経験できなかった。
「好き」よりも「ありがとう」を伝えたかった。
「……俺も沢木に出会えてよかったよ」
何かを悟ったように優しく微笑みながらそう言った結城先輩。