恋愛、友情。ときどき涙。


「……結城先輩は音ちゃんが好きですか?」

「え?あ……うん」


突然の私の質問に驚く結城先輩。

それでも構わずに私は話を続ける。


「音ちゃんといるときの結城先輩……すごく幸せそうです。
だから、音ちゃんと結城先輩が上手くいったらいいなって……応援してます」


私は音ちゃんも結城先輩も……両方好きだから。

だから、応援したい。

幸せになってほしい。


「私、これから音ちゃんときちんと話してきます」

「あぁ。絶対仲直りできるよ」

「……結城先輩」

「ん?何?」

「私……結城先輩に出会えてよかったです!」


これが私の本当の気持ち。

出会えてよかった。

じゃなかったら、こんな気持ち……きっと一生経験できなかった。


「好き」よりも「ありがとう」を伝えたかった。


「……俺も沢木に出会えてよかったよ」


何かを悟ったように優しく微笑みながらそう言った結城先輩。


< 190 / 220 >

この作品をシェア

pagetop