恋愛、友情。ときどき涙。


「じゃあ……私、行きますね」


私は結城先輩から離れて、教室の方に向かおうとした。


「沢木!」


……でも、先輩の声でピタッと足が止まる。

振り返ると、先輩が微笑みながら立っていた。


「……ありがとう」


先輩の言葉に自然と笑顔になっていく……。


私は先輩に元気よく頭を下げると、教室へ走った。


これでいい。

だって、今すごくスッキリしてるもん。

不思議と切ない気持ちなどどこかに飛んでいっていた。

今はただ爽快感が残ってるだけ。


『正直に』自分の気持ちを伝えた。

今度は……音ちゃんに伝えよう。


包み隠さず……全部を。


そして、また一緒に笑いたい。


私の大好きな音ちゃんの笑顔と一緒に。


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