恋愛、友情。ときどき涙。


「まだ一年半ぐらいの付き合いしかないけど……これから音羽のこと、もっと知っていきたいから。
もっとずっと一緒にいたい」


ずっと……一緒……?



「……好きだよ。
音羽が……ずっと好きだった」



一瞬……時が止まった気がした。

木々が風に揺れる音だけが聞こえ……あたしは先輩の方を見たまま固まっていた。


先輩が……好き?

あたしのことを……?


ようやく理解したとき……あたしの目には大粒の涙が溜まっていた。


ダメ……あたし、最近泣いてばっかりだ……。



「……あたしも……好きです。
湊先輩のことが……好きです」



目に涙を溜めながら……しっかりと先輩の目を見て答えた。


ずっと……ずっと伝えたかった言葉。

勇気が出なくて言えなかった言葉……。


やっと言えたときには……あたしの頬に涙が伝っていた。


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