恋愛、友情。ときどき涙。
慌ただしく部室を出て、先輩と一緒に並んで歩く……。
でも……くーちゃん程ではないけど背の高い湊先輩と、背が低い(とよく言われる)あたしは不釣り合いで……
先輩に気づかれないように心の中でそっとため息をつく。
「……そういえば、先輩の家ってこっちでしたっけ?」
「いや、あっち」
先輩か指差した方向は今歩いてる方とはまるで正反対。
「え!?
じゃあ何で普通にこっちに来たんですか!?」
「何でって……部室に最後まで残ってた後輩を暗い中一人で帰すようなひどいヤツじゃないよ、俺は」
「そう……ですか」
……分かってる。
先輩にとってあたしはただの後輩だから。
それ以上でもそれ以下でもない。
分かってるのに……どうしてこんなに胸が苦しいの?
どうして……。