恋愛、友情。ときどき涙。
「あ……あたしの家、ここです」
いつの間にか家に到着していた。
でも、先輩の視線はあたしの家の隣に向けられていた。
「あれって……」
「海斗の家ですよ」
「マジで隣だったんだ……」
「はい。お隣さんです」
あたしがそう言うと、湊先輩はなぜか苦笑いした。
その顔は少しだけ切なそうで……ちょっとビックリした。
「じゃあ、また明日な」
「はい。
わざわざ送ってくれてありがとうございました」
「いえいえ。じゃ」
軽く片手を上げた先輩にあたしは小さく手を振った。
先輩が見えなくなるまでずっとあたしは先輩の背中を見つめていた……。