恋愛、友情。ときどき涙。


私が不思議な感覚に頭を悩ませていると、先輩が私の方を見てにっこり笑った。


「なぁ、もしかして名前……沢木綾乃?」

「そ、そうですけど……どうして?」


やっぱり!と一人納得したように頷く先輩。

いや……どうして私の名前知ってるんですか……?


「音羽と空がよく話してるからさ。
もしかしてそうかなーって」

「音ちゃんと三上君が……??」

「仲良いんだろ?」

「あ……はい」


音ちゃんも三上君もすごくいい人で、一緒にいて楽しい。

三上君なんてしっかりしてて頼りになるし。

音ちゃんの保護者みたいだしね。


「俺は結城湊。
一応バスケ部の部長」

「部長さんだったんですか……!?」

「そうだよ。
そんなにビックリした?」

「あ、いや……すみません」

「ははっ!!
いいよ、謝らなくても」


ドクン……。

また……。

先輩の笑顔に……胸がドキドキする。


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