恋愛、友情。ときどき涙。
すると、さっきまでボールをいじっていた三上君が軽く音ちゃんの頭を小突いた。
「矢崎、何があった?」
「監督にね、新しいボール出すように言われたんだけど……」
監督……?
ボール……?
「その新しいボールが倉庫にあるらしくて……。
でも、あそこって暗くて怖いじゃん!
だから一人じゃ行けなくて……」
つ、付き合ってくださいって……そういうこと?
三上君は呆れたようにため息をつき、先輩は力が抜けたように肩を落とした。
「そんなことだろうと思った……」
「くーちゃんでもいいよ!
お願い!誰かついてきて~……」
結城先輩は近くにいた後輩を呼び、音ちゃんと一緒に倉庫へ行かせた。
音ちゃん達が体育館を出ていった後……結城先輩は大きくため息をついた……。