恋愛、友情。ときどき涙。


「よ、チャラ男」

「湊先輩の方が俺よりチャラいじゃないっすか。
その茶髪とか」

「これは地毛だっつーの」


海斗の想いは知ってるし、海斗も俺の気持ちを分かってる。

一度、海斗に言ったことがある。


『幼なじみっていいよな』って。

それは俺の本音で、誰よりも音羽のそばにいる海斗が羨ましかった。


でも、海斗は……


『幼なじみなんて……いいことないっすよ』


そう切なそうに笑って言った。

きっと……海斗にもいろいろと俺には分からない何かがあるんだと思う。


「そういえば先輩、音羽に告られたんですよね」

「っ……お前……」

「空から聞いたっすよ」


ニヤニヤ笑いってるってことは……コイツ、全部分かってる……。

空のヤツ……何でコイツに……

これからしばらくバカにされんじゃん!


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