恋愛、友情。ときどき涙。


「音羽……何か言ってたか?」

「いや。
先輩の話はゼロっすね。
最近、新しくできた友達の話しかしないっすから」


新しくできた友達……あぁ、沢木のことか。


「空もソイツの話しかしないし……そんなに面白いヤツなのか……?」

「面白いっつーか、大人しそうなヤツだったけど」

「え?
会ったことあるんすか?」

「あぁ、この前体育館に音羽の忘れ物届けに来た」


見てみたい、と言う海斗。

すると、そんな俺たちにあるでこぼこコンビがギャーギャー騒ぎながら近づいてきた。


「お前もっと持てよ」

「これでギリギリだもん」

「あー、そっか。
ちっちゃいから体力も他の奴らよりないんだよな。
ごめん、ごめん」

「ムッ………。
……持てるよ。ほら、貸して」

「いいって。
これ以上持たせたら、矢崎が潰れそうだから」

「潰れません!!」


何やら大量のノートやら紙やらを運んでる音羽と空。

……あぁ、先生のパシリか。

そういや学級委員になったって言ってたもんな。

< 45 / 220 >

この作品をシェア

pagetop