恋愛、友情。ときどき涙。


部活の時間。

俺はボールじゃなくてある方向を見ていた。

たくさんのボトルを持ってヨロヨロするマネージャー……。

いつもならカゴに入れて運んでるのに、今日は両手いっぱいに抱えている。

とにかく見てて危なっかしい。

……と、そのとき。

音羽の体がグラッと前に傾いた。


「あっ……!!」

「危なっ……!」


小さな声と共に倒れかける音羽を俺は慌てて支えた。

手に抱えていたボトルは落ちてしまったが、何とか音羽は助かった。


「大丈夫か……?」

「は……はい。何とか……」


俺の腕の中で顔を上げた音羽とばっちり目が合った。

ち……近い……。


前から支えたせいか、抱きしめてるような形になってる俺達……。


うわっ……今更ながら緊張してきた……。


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