恋愛、友情。ときどき涙。


「せ、先輩……?」

「ん……?」

「あの……もう大丈夫です……」

「あ、あぁ……悪い……」


スッと腕を緩めると、音羽は俺から離れて落ちたボトルを拾い始めた。


ヤバッ……今の俺の顔……絶対赤い。

どうしよ……音羽にこんな顔見せらんねぇ!



「……三上先輩?」

「何だ?」

「あの二人って……付き合ってるんですか?」

「それがな~……くっつきそうでくっつかないんだよ」

「へぇ……」



俺も赤くなった顔を隠しながら一緒にボトルを拾った。


「何でカゴ使わなかったんだよ」

「壊れちゃったんですよ~。
監督に言ったら注文してくれたんですけど、まだ届かなくて」


笑いながらそう言って音羽はボトルを抱えて立ち上がった。


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