恋愛、友情。ときどき涙。


「ん……美味い!」

「よかった~……。
湊先輩が言うなら間違いないですね!」


今度はくーちゃんに飲ませてみよ~、と呑気に言いながら鼻歌を歌い始める音羽。


「……なぁ、音羽」

「何ですか?」

「……マネージャーになってくれて……ありがとな」


俺がそう言うと、音羽は驚いたように目を見開いた。


「……湊先輩、熱でもあるんですか?」

「おい。人がせっかく素直に感謝してんのに」

「だって、今までそんなこと言われたことないし……。
やっぱり熱が……」


何で感謝したのにこんなに心配されてんの……?

俺って今までそんなに感謝してなかった?


「湊先輩、そこに座ってください」

「え?あ……はい」


とりあえず言われた通りに近くのイスに座った。

すると……ぴたっと音羽の小さな手が俺のおでこに触れた。


瞬間、激しく振動する俺の心臓。


……音羽ちゃん、ちょっとピュアボーイの僕にこれはキツいかな。


なんて、心の中でふざけてみても心臓の激しい動きは収まらない。


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