恋愛、友情。ときどき涙。
「んー……熱はないみたい……」
「いや、だから元気なんだってば」
「でも、先輩らしくないです」
座ってる俺の視線に合わせて屈み、じーっと俺の顔を見る音羽。
可愛い……可愛いんだけどね、多分もうすぐ俺の心臓爆発すると思う。
……ってか……ものすごく抱きしめたい。
好きな女の子にこんなことされたら誰だってこう思うはず。
「……音羽ってマジで天然で鈍感なのな」
「え?何か言いました?」
「いや。
俺は大丈夫だから。
もう練習に戻るな」
「あ、はい。
ありがとうございました」
ニッコリ笑った音羽に微笑みながら俺はみんなのいるコートへと戻っていった。