恋愛、友情。ときどき涙。


私がずっと黙っていると、アサちゃんが心配そうに声をかけてきた。


「綾乃……?大丈夫?」

「ねぇ……アサちゃん」

「ん?」


私は思いきってアサちゃんに相談してみることにした。


「あのね……最近、胸がドキドキしたり……チクチクしたりするの」

「うん」

「私……病気かな?」


本気でそう聞いた私に、アサちゃんはプッと吹き出した。


「あ、アサちゃん!?」

「ごめん、ごめん。
まさか本気でそんなこと聞かれるとは思わなかったから」


それはね、とアサちゃんはにっこり私に微笑みかけた。


「恋だよ」

「恋……?」


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