恋愛、友情。ときどき涙。


「沢木、ボーッとしてたけど大丈夫?」

「は、はい!すみません!」

「そっか。ならよかった」


そう言って笑顔を見せる結城先輩。

……また。

ドクン……と心臓が跳ねる。


「あ、そうだ。
沢木、空見なかった?」

「三上君……ですか?
見てませんけど……」

「おっかしーな……。
教室にもいねぇし……。
海斗のとこかな……」


海斗……。

確か……音ちゃんの幼なじみ……だよね?

三上君と仲良しなのかな……?


「ま、いっか。後でで。
ありがとな、沢……」


先輩はそこまで言った瞬間、急に私の腕を引っ張って私を壁際に追いやった。


「えっ……!?」


私が驚いたのも束の間、さっきまで私がいた場所に男子生徒二人が突進してきた。


「っつ……!」


そのまま男子生徒は結城先輩に当たり、尻餅をついた。


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