恋愛、友情。ときどき涙。
大丈夫ですか!?と私が聞く前に結城先輩が走ってきた男子生徒達に声をかけた。
「お前らなぁ~……」
「み、湊先輩!?」
「す、すみません!」
え……知り合い?
湊先輩は怒った素振りは見せずに、優しく男子生徒二人に言い聞かせた。
「元気なのはいいけど、周りに迷惑はかけるなよ?
もうちょっとで俺じゃなくてあの子に当たるところだったんだからな」
そう言いながら私を見る湊先輩。
すみません、と男子生徒二人が私に頭を下げた。
「元気が有り余ってるなら部活のときに発散しろ。
いいな?」
「「はい……すみませんでした」」
「分かったんなら行ってよし」
男子生徒二人は揃って先輩に謝ると、今度はゆっくり歩きながら向こうに行ってしまった。
先輩は男子生徒を見送ると、私のほうを向いた。