恋愛、友情。ときどき涙。
保健室に着くと、中には誰もいなかった。
先生……どこだろう?
「絆創膏だけ貰ってくか」
そう言って絆創膏を手に取る先輩。
「だ、ダメですよ、消毒しないと」
「……いや、いい」
「……もしかして消毒苦手……ですか?」
「っ………!!
い、いや~、まさかそんなわけないだろ~。
高三にもなって消毒は染みて痛いから嫌だなんてヤツいるわけ……」
……嫌なんですね、先輩。
「沢木綾乃ちゃん?
その目は何かな?」
「い、いえ……何でも……」
「……このことは絶対音羽には内緒だからな」
「このこと……?
怪我のことですか……?」
「いや、そうじゃなくて……」
「あ……消毒が染みて痛いから嫌いなことですか?」
「……うん。お前さ、普段はおっとりしてるのに……なんか痛いとこ突いてくるよな」
え!?
私……何か失礼なこと言っちゃったかな……?