恋愛、友情。ときどき涙。
「昔から音羽の周りって色んなヤツがいたんだけど、その中でもアイツが本当に気を許してたのは数人だったよ」
「音ちゃん、昔から人気者だったんだ……」
小さい頃の音ちゃん……。
うん、絶対可愛い。
小さな音ちゃんが元気にピョンピョン走り回ってるのが想像できる。
「杉山君っていつから音ちゃんと一緒なの?」
「多分生まれたときから」
「え!?そんなに!?」
「親同士が仲良くて。
家も隣だったし」
そんなこと現実の世界にあったんだ……。
ドラマとか漫画の世界だけだと思ってた……。
「じゃあ、ずっと一緒なんだね」
「ま……そろそろ終わりだろうけどな」
「え……?」
……その時の杉山君はすごく切なそうな顔をしていた。
切なくて……苦しそうで。
……アサちゃんが言ってたな。
杉山君は音ちゃんが好きだって。
……そっか。
今の私と同じなんだ……。