恋愛、友情。ときどき涙。


「知り合い……ね」

「くーちゃん」

「……ま、お前も頑張れよ」

「うん?」


頑張れって……?


くーちゃんは小さく笑うと、部室の方に行ってしまった。



「……で?」

「で……って?」


その日のお昼休み。

亜沙美に朝の出来事を話したあたし。


「デート、どうすんのよ」

「で、デートって……」

「先輩がそう言ったんでしょ?
ならそうじゃない」

「そうだけど……」


改めて言われると……照れる。


「とうとう音羽にも春が……」

「そ、そんなんじゃないって!
ただ一緒に出掛けるだけだから……」

「お、男の子と二人で出掛けるなんて……音ちゃん、大人だ……」

「ほら、綾乃もこう言ってるじゃない!」


そう……なのかな?

海斗とかアッキーとよく二人で遊んでたから……。


でも……好きな人と二人きりは……緊張するかも。

< 92 / 220 >

この作品をシェア

pagetop