恋愛、友情。ときどき涙。
湊side


俺はある席に近づき、無言で机の上にハンカチを置いた。

そのまま自分の席に行こうとした……けど、ハンカチの持ち主が俺に声をかけた。


「結城君……」

「………………」

「……これ……」

「後輩が落ちてんの見つけたから。
俺は届けただけ」


そう素っ気なく言って会話を終わらせようとする。

でも……


「結城君。
見たよ、バスケ部のマネージャー」


その言葉に俺の足はピタリと止まる。


「可愛い子だったね。
小さくて、明るくて」


しかも優しくて癒されるんです。

音羽は最高のマネージャーだと思ってる。


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