河のむこう


いつの間にかあたしは寝てしまっていた。


静かに流れる音楽が心地いい…
そう思っていると
体に激痛が走った。


「いたぁっ…」


なに!? この痛み…!!
身体中をやりで刺されたような…!!


目をさますと周りは綺麗な原っぱだった。


あたし…卒業式にいたよね…??


体を見ると、外傷はない。


あたしは船に乗って、河の上に浮いていた。


「なんで…河…?」


フッと目の前が暗くなる。


なに?


「いきたいか?」

「へ?」


見上げると、黒い服をまとった男性が船の上に立っていた。


「だれ…」
「いきたいか?」


いきたいって何?


「どこに?」


「違う。生きたいかと聞いている。」


生きたい…?
どーいう意味だろ…。


「生きて…いきたいか?」

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