†蝶鬼鈴†
―――次の日―――
幹部の部屋に、呼ばれた私は池田屋のことについて話した…
少し辛かったけど、隣には沖田さんがいてくれたおかげで
話すことができた。
「ほう、なるほど。」
近藤さんは、難しい顔して考えこむ。
「よーわ、あいつらはこちら側のもんじゃないってことだろ。」
原田さんが、まとめるように話す。
嫌な空気が漂う中、
眉間にしわを寄せた土方さんが話しかけてきた。
「おい。昨日、あの男が言ってたことは本当か?」
昨日……?
もしかして、私があの男の妹っていう話?
『分からないんです…。』
自分のことが分からない、自分が悔しい。
私は、下唇を噛み締める。
「そうか…。」
周りからも視線を感じた。
そりゃあそうだ…
記憶がないとは言え、
もし、あの男の人の妹だとしたら…
私は、あちら側の人間となる。
ようは、彼ら。新撰組の敵ということだ。