†蝶鬼鈴†
襖を勢いよく開け、隣の部屋に入りすぐさま閉めた。この部屋に、浪士はいない。
それだけなのに、私は安心した。
なのに……
「女か……。」
一瞬にして、背筋が凍る。
気づかなかった。人がいること。
素早く、に私は振り向いた。
その人は、窓から外を見ていた。
金髪の男の人。
……ってあれ。この人、今、女って……。
「あなた…は……?」
私が声を発すると同時に。
バンッ!!!!
私の後ろの襖が開いた。
「君たち……長州の奴らだよね?」
長州……って、長州藩?
そうか。
さっきの人たちは長州の人たちか…