†蝶鬼鈴†
“新選組の男は、これで殺される”。
本当にいいの?
私の目の前で、人が殺されようとしている。
「いいはず……ない。」
私の体は勝手に動き、すぐ横に転がる茶碗を、力任せに投げた。
金髪の男は気をこちらに向けた、
素早く茶碗を叩き落した。
けど。
新選組の男はその隙を見逃さなかった。
すぐさま態勢を立て直し、刀を振るう。
「ちっ。」
金髪の男はなんとかそれを受け止めるが、大きく体勢を崩し、不愉快そうに顔をしかめた。
「こしゃくな……!」
金髪の男は一気に刀を振り上げ、今まで以上の速度で振り落とす。
新選組の男は、それを受けれたものの、上段からの重い攻撃に、体勢を崩され。
「がっ!?」
腹にすさまじい力を込めた蹴りを放たれた。
床に転がり、胸元を押さえ血を吐きだす。………こんな身体じゃ、もう戦えるはずがない。