†蝶鬼鈴†
もう!
この際、気まずいとか言ってられないよ。
いつの間にか、涙は消えている。
きっと、沖田さんを見て安心したのかなっ。
私は勇気を出して足を踏み出した矢先。
「あ!沖田さんっ!聞いて下さい。」
その声は、私のものでは無かった………。
紗枝。
私とは違う方向を見る、沖田さんに胸がチクリとする。
『もう、なんなのよ。』
また柱の影に戻ってしまった私は。
2人には届くことのない。
小さく呟いた。