†蝶鬼鈴†

―――――――――――

「し…乃…よく聞く……よ。あなた……人間…で…ない…………。」

誰なの?

よく聞こえないよ!



人間でないって…
私が?

ど、どういうこと?


『あなたは誰…?』


「いい…。お兄………の言う…聞くのよ。」

何を言ってるのよ。

ここはどこなの。
私の……夢?

私の目の前には、かすれゆく涙を流す女の人の姿がある。

震える手を伸ばすと、その人は私を見つめて消えた。



あっ、待って!!!
そう思うが、もう辺りを見回しても姿はどこにも無かった。





< 213 / 254 >

この作品をシェア

pagetop