†蝶鬼鈴†


いや……

こっちにこないで!!


一歩ずつ後ろに下がる。

見たくないのに、目が離せない。


そのまま、私は前を瞬きもせず睨んでいた。

……………。


もう、霧は晴れ、その顔が見えてくる。

えっ?


「キャーーーーッ!!!!!!!」

見た瞬間、体が燃えるような熱さに見まわれた。

その者とは。


目はまるで、血に染まったように赤く。

頭には、とがったようなものが二つ付いているのが見える。





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