†蝶鬼鈴†
悩んだが出した結論。
「いいえ、何も聞いてません。」
ばれなければいい、そう思った。
「……そうか。」
けど、私はすぐに後悔に襲われることとなる。
「た、大変です!」
ばんと襖が開けられ、一人の男の人が入ってきた。
とても、目が印象的な人。
「どうしたんだ、山崎君。」
近藤さんが顔をしかめて問う。
「捕らえた長州の奴らが、話すくらいならと、自ら舌を噛み切り死んでいっています!」
「なっ……!」
「自害とは……、奴らに武士としての誇りは無いのか!」
「それが、それだけではなく…。」
山崎と呼ばれたその人は私を見た。
「奴らは、“捕らえたガキに聞けばいい”と笑っており……。」
「なるほどな。確かに誇りも何も無いガキのほうが吐くかもしれない。」
「っ……!?待ってください!私は本当に何も!!」