†蝶鬼鈴†
再び気を失っていたが。 「う……」

私は左腕に受けた、小さな感覚で目が覚めた。

目を開けると、そこには焼け火箸を持った男。

見覚えのある姿。


「な、が…くら……さん?」


以前に会った、幹部の一人。永倉さんの姿がそこにあった。


「覚えていたのか。」


冷えきった声。

前会った時の、藤堂さんたちと話していた時とは、全く違う。

平隊士さんたちともまた違う、。


「全く吐かねえらしいからな。いよいよ幹部のお出ましってこった。」


私は無言のまま、永倉さんを睨み付けた。
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