†蝶鬼鈴†
……多分女の子。

ここに私以外の女の子が居たんだな。

「な、な……。」


彼女は口を震わせていた。

「え……?」


私に全速力で駆け寄ってきた。

え、、なんで?


「か、幹部が揃って何やってるんですか!」


そういうなり彼女は私と土方さんの間に入り、両腕を広げた。

何でだろう、この子とはどこかで会ったことがある気がする。


「ちっ……。誰の許可があって入ってきた。」


土方さんはばつが悪そうな顔をして、刀を収めた。


「井上さんです。自分は用があるから探してきてくれって。」



「大丈夫ですか?」


彼女はくるりとこちらを向き、せっせと縄を解き始めた。


「こ、こら。立花君…!」


立花……?どこかで聞いた気がする。

……いったい、局長であるはずの近藤さんの声を無視し、縄を解き続ける彼女は何者?

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