†蝶鬼鈴†
「立てますか?」
縄を解き終わり、こちらに差し伸べられた手を、私は反射的に受け取った。
「うっ……。」
体のいたるところが痛むけど、私は何とか立ち上がる。
「おい、そいつから離れろ、千華!」
「そいつが誰だか分かってるのか!?」
「長州の者だぞ!」
そんな言葉を無視し、彼女は近藤さんを見る。
「この子に応急処置をします。」
「だ、だがな、立花君……!」
「敵であろうと、こんな女の子を痛めつけるなんて、同じ女として許せません!!」