†蝶鬼鈴†

池田屋事件





「あれ……ここ、どこだろう?」



私は夜道を歩いていた。昼の都と夜の都、それは全く異なるものに見えるんだもの。
「ど、どうしよう……?」


そう困り果てていた時。


「……、…っ。……?」

「……し!……。」

「ょ…!?……!」


どこからか、人の話し声が聞えた。

。どうやら、近くの建物から聞えているみたい。

その建物に、私は無意識に近づいていた。


「池田屋……?」


声がした建物には、そう書いてある。宿のようだけど……。


「声が聞こえる、ということは、人がいるんだよね。」


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