†蝶鬼鈴†


えっ…?
私のお兄ちゃん?

あの男の子、お兄ちゃんなんだ。知らなかった。

静かにしていた、私のお兄ちゃんはとてつもない。殺気を放ちながら、口を開く。
「お母様達を、やったのは鬼の奴らですか?」


鬼!!!?
やっぱり、人間では無いんだ。

でも、鬼なんて…

「そうょ…ゴホッ……けして、あいつら…には、近づいては駄目…ょ。」


お母さんは、だんだん声が消えかかる。



“死”私の頭をこの文字がよぎった。


「だ…ぃすき…ょ……。」

その言葉を最後に、お母さんは動かなくなってしまった。


私は、いきなりの出来事に言葉が出なかった。
< 84 / 254 >

この作品をシェア

pagetop