†蝶鬼鈴†
えっ…?
私のお兄ちゃん?
あの男の子、お兄ちゃんなんだ。知らなかった。
静かにしていた、私のお兄ちゃんはとてつもない。殺気を放ちながら、口を開く。
「お母様達を、やったのは鬼の奴らですか?」
鬼!!!?
やっぱり、人間では無いんだ。
でも、鬼なんて…
「そうょ…ゴホッ……けして、あいつら…には、近づいては駄目…ょ。」
お母さんは、だんだん声が消えかかる。
“死”私の頭をこの文字がよぎった。
「だ…ぃすき…ょ……。」
その言葉を最後に、お母さんは動かなくなってしまった。
私は、いきなりの出来事に言葉が出なかった。